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船橋・日の出に飲食店向けテストキッチン コロナ助成金で事業拡大

「963factory」の稼働を始めた黒川裕士さん

「963factory」の稼働を始めた黒川裕士さん

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 船橋市内で本店を開業して14年になる「ラーメン963」が10月1日、自社製品のクラムチャウダーなどの加工所を兼ねたテストキッチン「963factory」(船橋市日の出1)の稼働を始めた。

船橋・日の出に飲食店向けテストキッチン コロナ助成金で事業拡大

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 社長は黒川裕士さん。本町通り沿いに「ラーメン963」(本町2)、京成船橋駅前にアジア料理専門店「mae963」(本町1)、伊豆諸島の式根島に「島cafe963」(東京都新島村)などの飲食店事業を展開。そのほか、ケータリングと完全予約制のレストランも営業し、今回、飲食店の居抜き店舗を活用して「963factory」を立ち上げた。

 これまでの飲食店経営の経験を生かしコロナ前にケータリング事業を立ち上げたが、コロナ禍で外食需要が激減、飲食店経営と並行してケータリングの需要もほぼゼロになったという。コロナ禍は通販、イベントや催事でのクラムチャウダー販売に注力した。この際、自社商品の開発を進め、ギョーザ、ラーメン、鍋の素、マーボ豆腐の素なども次々と商品化。大量調理のノウハウを確立した。

 同時に販売ルートもコロナ禍で拡大し、ケータリング事業では幕張メッセや東京ドームなどのコンサートやイベント関連を中心に受注。そのほか、東武百貨店、都内を中心としたイベントでの販売、ふるさと納税など多岐にわたっている。

 通販や冷凍販売などの需要が拡大する中で、飲食店が通販や催事に対応するために必要な機材をコロナ関連の助成金を活用し導入。真空パック包装機や急速冷凍機、対流熱調理を得意とする「コンベクションオーブン」、冷凍庫、充?(じゅうてん)機などを購入し、今回の加工所兼テストキッチン開設に至った。ギョーザ握り機や製麺機も発注済みだという。

 レシピ開発から調理までをスタッフが行い、充填やパッケージング、包装、発送などの軽作業を障がい者の就労支援作業所と連携する仕組みも、この2年間で構築してきた。

 同所はレシピ開発に向けたテストキッチンとして使うだけでなく、OEM製造に加え、黒川さんが所属する経営者団体と連携してパッケージデザイン、ブランディング、ECサイト構築、ウェブサイト制作、SNSを中心としたマーケティングまで幅広く手がけられるようになった。行政書士法人とも連携し、会社開設などの登記もできるという。

 「コロナ関連の助成金を多く活用させてもらって10年使える設備を導入できたことで飲食店以外の柱を作れたので、結果としてコロナはいい方向に転んだと思う」と黒川さん話す。

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