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船橋産ベーターキャロットを使ったポタージュスープ 地元飲食店が農園と組み商品化

右から重兵衛農園の仲村学さん、ZUCCAMOの石井さん、重兵衛農園の仲村翔馬くん

右から重兵衛農園の仲村学さん、ZUCCAMOの石井さん、重兵衛農園の仲村翔馬くん

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 新京成電鉄・東葉高速鉄道の北習志野駅近くにある「キッシュと手作り惣菜の店ZUCCAMO(ツッカーモ)」(船橋市西習志野3、TEL 047-466-2440)が5月23日、冷凍パウチした「船橋産ベーターキャロットのポタージュスープ:重兵衛&ZUCCAMO」の店頭販売を始めた。

商品パッケージ

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 店主の石井眞砂美さんは食品開発に長年携わり、現在もフリーランスで食品コンサルタントとして活躍している。2015(平成27)年4月に東葉高速線・飯山満駅前でオープンした同店は2018(平成30)年から、現在の場所で営業している。

 種類豊富な自家製キッシュなどが看板メニューの同店では、テークアウト商品も多く用意する。新型コロナウイルスの影響で外出自粛が続くようになってからは、店頭でドライブスルーでの受け渡しに対応するなど、さまざまな工夫を凝らしてきた。

 古くから続く高根町の農家「重兵衛(じゅうべえ)農園」の仲村学さん一家は、同店が飯山満駅前にあったころからの常連客だという。石井さんとの付き合いが続き、現在は店頭で重兵衛農園の野菜販売もするようになった。

 5月に入りニンジンの収穫シーズンとなったころ、重兵衛農園のインスタグラムを見た石井さんは、たくさんのニンジンが廃棄されてしまう現状、さらに今年は天候の影響から廃棄数が多いことを知った。

 仲村さんの畑で育てているニンジンは、船橋のブランド野菜である「ベーターキャロット」。栽培の難しさから、市内農家でも現在「ベーターキャロット」を作っている農家は5軒だけだという。畑を見学に行った石井さんは「ちょっとした傷やシミ、割れただけで、スーパーなどへ出荷できないのは本当に残念」と話す。

 石井さんは「私の本業は、工場で作るような総菜などの開発。何とかこのニンジンを捨てずに済む方法はないか」と、工場ラインで作れるポタージュスープを開発した。「冬には重兵衛農園のカブを使った『カブのポタージュ』を作っていたこともあったので、応用が利いた」と石井さん。

 スープは1食分をパウチし、冷凍保存できるようにした。完成したポタージュについて「このニンジンのポテンシャルが本当に高く、味付けがいらないくらい。ベーターキャロットと生クリーム、ほんの少しの香味野菜に味付けは塩のみ。素材の持つ力を生かした商品で、添加物、化学調味料は一切使ってない」と石井さん。

 重兵衛農園の仲村さんは「廃棄になってしまうニンジンを石井さんが使ってくださるのは本当にありがたい」と話す。石井さんは「冷たい牛乳で割れば、これからの季節にぴったりの冷製スープとして召し上がっていただける」とも。

 1000食限定で、価格は1食400円(180グラム)。店頭販売のほか通販も行う。賞味期間は1年。

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