プレスリリース

下水処理場の設備更新は「止めない」を前提に――自治体調査から見えた更新制約と代替処理設計への提言

リリース発行企業:セイスイ工業株式会社

情報提供:

排水・汚泥処理の専門企業であるセイスイ工業株式会社(本社:千葉県千葉市若葉区、代表取締役:井本謙一、https://seisui-kk.com)は、仮設水処理プラントのレンタル事業を通じて全国2,650件超の現場を支援してきた知見と、2026年2月・5月に自治体職員を対象に実施した2つの独自調査をもとに、老朽化が進む下水処理場で「処理を継続しながら更新・メンテナンスする」という構造的な課題と、その対応策を整理した提言レポートを公開しました。



全国の下水処理場では機械・電気設備の老朽化が進む一方、下水処理は更新やメンテナンスのために簡単に停止できるものではありません。当社調査でも、し渣処理設備の故障・不具合・処理能力低下を85.0%が経験し、設備更新時に「処理を止められない」制約に直面した、または今後直面するとした回答は87.0%に上りました。
また、消化槽メンテナンス経験者では58.7%が停止期間中に余裕のない対応や想定外の事態、処理の滞りを経験し、76.0%が開放時の堆積物量について「想定を超えていた」と回答しています。
セイスイ工業では、更新計画に「処理を止めない」ための設計を組み込み、想定超過や長期化にも対応できるよう、代替処理とBCPを平時から準備することが重要だと考え、4つの取り組みを提言します。

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■ 本レポートのポイント

- 85.0%が、し渣処理設備の故障・不具合・処理能力低下を経験
- 58.7%が、消化槽停止期間中に「余裕なし・想定外・処理滞り」を経験
- 76.0%が、消化槽開放時の堆積物量について「想定超え」を経験
- 87.0%が、設備更新時の「処理を止められない」制約に直面・直面見込み

■ 調査概要

1.「消化槽メンテナンス時の汚泥処理対応に関する実態調査」
調査方法:IDEATECHが提供するリサーチマーケティング「リサピー(R)?」の企画によるインターネット調査
調査期間:2026年2月2日~同年2月5日
有効回答:消化槽の運転管理・維持管理に携わり、メンテナンス時の停止対応(搬出先手配・仮設処理導入・貯留計画等)に関わっている、または内容を把握している自治体職員102名
※構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても必ずしも100とはなりません。

2.「下水処理場におけるし渣処理の実態と課題に関する調査」
調査方法:IDEATECHが提供するリサーチマーケティング「リサピー(R)?」の企画によるインターネット調査
調査期間:2026年5月14日~同年5月15日
有効回答:自治体の下水道・上下水道・環境・施設管理関連部門の担当者100名
※構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても必ずしも100とはなりません。

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■ 自治体調査から見えた、設備更新・メンテナンスを取り巻く実態

1.老朽化はすでに故障・処理能力低下として顕在化

2026年5月調査では、し渣処理設備の導入から「10年以上」が58.0%を占めました。また、故障・不具合・処理能力低下を経験した回答者は85.0%に上っています。
設備更新は将来の課題ではなく、処理機能を維持しながら「いつ、どう更新するか」を検討すべき現実的な課題となっています。





2.停止期間中の58.7%が「余裕なし・想定外・処理滞り」

2026年2月調査では、消化槽メンテナンス経験者75名の58.7%が、停止期間中に余裕のない対応や想定外の事態、処理の滞りを経験しました。
さらに76.0%が槽内開放時の堆積物量について「想定を超えていた」と回答し、停止期間中の最大の負担では「汚泥をためておく場所の不足」が45.5%で最多でした。





3. 87.0%が「処理を止められない」更新制約に直面・直面見込み

2026年5月調査では、設備更新・大規模修繕で「処理を止められない」制約に直面した、または今後直面するとした回答が87.0%に上りました。
実際の対応では「工程を分割して段階的に施工」60.5%、「仮設設備による一時的な処理継続」48.8%などが選ばれる一方、25.6%は更新・修繕そのものを先送りしています。





■ 調査から見えた、「止めない更新」を実現するための3つの課題

これらの調査結果から、設備更新・メンテナンスを進めるうえでは、設備そのものを更新する計画だけでなく、停止期間中の処理まで含めて設計する必要があることが見えてきました。



課題1 更新中に失われる処理能力をどう補うか

老朽設備を更新する必要があっても、下水処理機能は簡単には停止できません。設備を停止した期間に失われる処理能力を、既存設備だけでは補えない可能性があることが更新時の課題となります。

課題2 「想定超え」を計画にどう織り込むか

堆積物量や処理量、工期などは、停止・開放後に事前想定を超える可能性があり、計画時点では把握しきれない不確実性が残ります。

課題3 代替処理とバックアップ体制を平時からどう準備するか

貯留、外部搬出、仮設処理、他系列への負荷移行には、それぞれ容量・スペース・搬出先などの制約があります。単一の方法に依存せず、複数の代替手段を使える体制を平時から整えておくことが課題です。

■ 3つの課題を踏まえ、セイスイ工業が提言する4つの取り組み

これらの実態と課題を踏まえ、セイスイ工業では、「処理を継続しながら更新する」ことを標準的な考え方とするため、次の4つの取り組みを提言します。



提言1 処理継続方法を更新計画と同時に設計する

「設備をいつ更新するか」だけでなく、停止期間中に失われる処理能力を何によって補うかまでを計画初期から決めておくことを提言します。

提言2 「想定超え」を前提に余力を持たせる

汚泥量、処理能力、貯留容量、搬出台数、工期などを一点の想定値だけで設計せず、変動時にも処理を継続できるバッファを確保することを提言します。

提言3 「貯留・搬出・仮設処理」をハイブリッド化する

停止時の代替処理を一つの手段に依存せず、貯留、外部搬出、場内仮設処理、他系列・他施設への負荷移行を組み合わせる「ハイブリッド代替処理」を、更新計画の段階から検討することを提言します。
処理量・期間・スペース・搬出能力などの条件に応じて複数の選択肢を持つことで、想定超過や工期の長期化時にも処理を継続できる体制につなげます。

提言4 メンテナンスBCPを標準装備にする

2026年2月調査では、消化槽メンテナンス時のBCP・バックアップ計画を「策定している」とした回答は40.2%でした。
設備停止時に失われる処理能力、代替処理方法、仮設設備の設置場所、電源・配管、搬出先、対応事業者、想定超過時の追加対応までを事前に整理した「更新・メンテナンスのためのBCP」を平時から備えることを提言します。

■ 「止めない更新」を下水処理場の標準設計へ

老朽化そのものを避けることはできません。しかし、「止められないから更新できない」のではなく、「止めずに更新する方法を先に設計する」ことはできます。
セイスイ工業は、全国2,650件超の現場支援で培った知見を生かし、仮設水処理プラントによる一時的な処理能力の確保をはじめ、設備更新・メンテナンス時の処理継続を支援してまいります。

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■会社概要

会社名:セイスイ工業株式会社
設立:1974年4月
代表取締役:井本 謙一
所在地:千葉県千葉市若葉区上泉町424-18 ちばリサーチパーク内
事業内容:
- 排水、汚泥処理のプランニング
- 排水、汚泥処理プラントのレンタル
- デカンタ型遠心分離機のレンタル
- 各種水処理機器のレンタル
- 【NETIS】土木泥水再利用システム(震災対応)
- 【NETIS】汚染土壌分級システム(震災対応)
- 株式会社IHI ビジネスパートナー

URL:https://seisui-kk.com

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